トレーニングもビジネスも全力伴走!
中小企業診断士×パーソナルトレーナーの中村亮太です。
糖質を極端に制限するダイエット手法、「ケトジェニックダイエット」。
実際にやってみた方も、これから挑戦してみようと思っている方もいるのではないでしょうか?
「本当に痩せるの?」「体に負担はないの?」そんな疑問を持っている方も多いはず。今回は、私たちの体の“エネルギーの使われ方”に注目して、ケトジェニックダイエットの科学を分かりやすく解説していきます。
体を動かすエネルギー源は「糖質」と「脂肪酸」

まず知っておいてほしいのは、私たちの体は日々の活動のためにエネルギーを必要としているということ。そして、その主な供給源となるのが糖質(ブドウ糖)と脂肪酸です。
普段、普通にごはんやパン、麺類などを食べていると、体はブドウ糖をメインに使ってエネルギーを作り出しています。
でも、もし食事からの糖質が足りなくなると、今度は体に蓄えておいた脂肪を分解してエネルギーを作ろうとします。
脂肪は主にトリグリセリド(中性脂肪)という形で体内に保存されていて、必要な時にグリセロールと3つの脂肪酸に分解されます。その脂肪酸を使って、活動に必要なエネルギーをまかなっているわけです。
様々な脂肪酸の種類とその役割

脂肪酸にもいろいろな種類があって、それぞれ体の中で重要な役割を果たしています。
代表的なのは飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸。
不飽和脂肪酸はさらに「オメガ3系」と「オメガ6系」などに分かれます。
たとえば青魚に豊富なEPAやDHA(オメガ3系)は、炎症を抑えたり血液をサラサラにしたり、心臓や血管の健康維持に貢献してくれる成分です。
一方、オメガ6系脂肪酸(植物油などに多い)は、体の中で炎症を促す物質の材料になりますが、こちらも体の調整に必要不可欠なものです。
現代人はどうしてもオメガ6系に偏りやすい傾向があるので、青魚やアマニ油、えごま油などを意識してバランスを取るのがおすすめです。
また、乳製品や牛肉に微量含まれるCLA(共役リノール酸)は、脂肪を減らす効果があると期待されていますし、ココナッツオイルに多いMCT(中鎖脂肪酸)は素早く分解・吸収されてエネルギーになりやすい特徴があり、ケトン体を作りやすい脂肪酸です。
そして、できれば避けたいのがトランス脂肪酸。これはマーガリンやショートニングなど、加工食品に多く含まれています。悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らしてしまう作用があるため、健康のためにはなるべく摂取を控えたいところです。
糖質が減ると“ケトン体”が主役に!

では糖質を制限すると、体の中では何が起こるのでしょうか。
実は、糖質が足りなくなってくると、肝臓で脂肪酸が分解されてケトン体という特別なエネルギー源が作り出されます。
このケトン体には「アセト酢酸」「3-ヒドロキシ酪酸(BHB)」「アセトン」の3つがあり、特にBHBは脳を含め、体の多くの臓器でブドウ糖の代わりにエネルギーとして使われます。
この「ケトン体回路」に体が切り替わった状態を「ケトーシス」と呼びます。実は脳もこのケトン体をエネルギーとして使えるため、糖質が少ない時期でも元気に活動できる仕組みになっています。
ケトジェニックダイエットが体脂肪を減らす理由
ケトジェニックダイエットでは、この「脂肪分解→ケトン体→エネルギー利用」の流れをフル活用しています。
糖質の摂取量が少なくなると、血糖値の急激な上昇が抑えられ、インスリンの分泌も低下します。インスリンは「脂肪をためこむ」方向に働くホルモンなので、分泌が減ることで脂肪の分解がしやすくなるわけです。
このほかにも、グルカゴン、アドレナリン、成長ホルモン、コルチゾールなどのホルモンも脂肪分解をサポートしてくれます。
分解された脂肪酸は肝臓でケトン体に変わり、全身や脳にエネルギーとして運ばれていきます。
結果として、糖質がなくても脂肪やケトン体を積極的に燃やしてエネルギーを産生し、それに伴って体脂肪を効率よく減らしていけるというのがケトジェニックダイエットの科学的な仕組みです。
実際、ケトジェニックダイエットを1年続けたグループの方が、低脂肪食のグループよりも有意に体重が減ったという研究報告もあります。
さらに血糖値の変動が抑えられ、インスリンの効きが良くなったり(インスリン抵抗性の改善)、糖尿病の指標であるHbA1cの低下につながったりするケースも報告されています。
ケトン体自体に「食欲を抑える」作用があるという研究もあり、無理なく食事量をコントロールしやすいと感じる方もいます。
糖質制限を助けるMCTオイルと運動の効果

ケトジェニックダイエットを成功させる上で、MCTオイルをうまく取り入れるのもおすすめです。
MCTオイルは中鎖脂肪酸のことであり、他の脂肪酸と比べて素早く分解され、肝臓ですぐにケトン体へと変換されます。
そのため、エネルギー不足を感じやすいケトジェニックの初期や、集中力アップを狙いたい時にも重宝します。
コーヒーやサラダに少し加えるだけで手軽に使えるのも良いところです。
また、運動もケトジェニックの効果をより高めるポイント。
糖質制限下において運動でエネルギー消費が増えれば、体はますます脂肪やケトン体を使うようになります。
糖質が少ない状態で運動することは、体が「脂肪やケトン体をエネルギーに変換する力」を鍛えるトレーニングにもなります。ただし、体調に合わせて無理のない範囲で取り入れていくのが大切です。
ケトジェニックダイエットの注意点

「ケトジェニックダイエット」をやってみようという方は、いくつか知っておきたい注意点もあります。
まず、よくあるのが「エネルギー不足」を感じるというケース。
これは、特にケトジェニックダイエットを始めた初期に多い悩みです。
私自身やクライアントでも「トレーニングの重量が全然上がらなくなった…」と感じる方がよくいます。
この主な原因は、「糖質を控えるだけでなく、つい脂質まで抑えてしまう」ことにあります。
日本人は“ダイエット=脂質を減らす”と考えがちですが、ケトジェニックダイエットはむしろ糖質をカットした分、しっかり脂質を摂らないと、体がエネルギー不足になってしまうんです。
脂質は糖質の代わりになる大事なエネルギー源なので、「糖質オフ+脂質オフ」は、“絶食”に近いくらいエネルギーが枯渇してしまいます。糖質を控える分、脂質は意識的にしっかり食べることが成功のコツです。
とはいえ、脂質をたくさん摂る分、脂質の「質」にも気をつけたいところ。飽和脂肪酸・オメガ6・オメガ3のバランスが偏ってしまうと、ダイエットは成功しても健康を損なってしまうリスクもあります。
特に現代人はオメガ6が過剰になりがちで、オメガ3が不足しがち。
魚やアマニ油、えごま油などからオメガ3系脂肪酸をしっかり補うことを心がけましょう。
さらに、MCTオイルをうまく活用すると、体がケトン体をエネルギー源に切り替える(ケトーシスに入る)スピードを早めることができます。最初の“つらさ”を和らげるためにも、料理やコーヒーに積極的に使ってみてください。
そしてもう一つ大事なのは、「長期間はやらないこと」。
ケトジェニックダイエットは短期集中型のアプローチとして活用するのが無難です。長くても2~3ヶ月くらいで一区切りつけて、あとはバランス良い食生活に戻すことをおすすめします。
ずっと続けるのではなく、「一時的な体脂肪減少・リセット期間」として賢く使いましょう。
まとめ:ケトジェニックダイエットを“科学的に”取り入れる
私たちの体は、糖質と脂肪酸という2つの主要なエネルギー源を使い分けています。
糖質制限によって、体脂肪が分解されてケトン体が作られ、それを脳や体全体でしっかり活用できるようになる。これがダイエットや血糖値コントロールのメリットにつながっている、という仕組みです。
もちろん、糖質制限ダイエット(ケトジェニックダイエット)が全ての人に合うわけではありません。
個人の体質やライフスタイル、健康状態によって最適な方法は異なります。無理のない範囲で、体調と相談しながら取り入れていくのが一番です。必要に応じて、専門家のアドバイスも活用してください。
「何となく」でダイエットを選ぶのではなく、体の仕組みを理解し、科学的な視点から健康的な生活を目指していきましょう!
筋肉は裏切らない。あなたの努力も裏切らない!
最後までお読みいただきありがとうございました!

