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中小企業診断士×パーソナルトレーナーの中村亮太です!
健康やダイエットに関心のある方なら、一度は考えたことがあるのではないでしょうか?
「たくさん食べた炭水化物って、結局、体脂肪に変わるの?」
この疑問はダイエット界隈で長年語られてきましたが、実は「これだ!」と自信を持って説明できる人は少ないかもしれません。
ネット上でも「炭水化物は脂肪になりにくい」「いや、摂りすぎたらすぐ体脂肪になる」という全く逆の意見があふれています。
とくに減量中の方や、ボディメイクで真剣に食事管理をしている方なら「チートデイで炭水化物を大量に摂っても大丈夫?」「夜の炭水化物って本当にNG?」といった疑問も多いはず。
今回は、こうした“迷信”や“都市伝説”に科学的な視点から答えていきます。
目次
- 【結論】カギは「グリコーゲンの貯蔵量」
- 炭水化物が体の中でたどる3つの道
- インスリンと“優先順位”の仕組み
- 体脂肪化が起こるタイミング
- 糖が脂肪に変わる代謝経路
- 興味深い実験:グリコーゲン枯渇と体脂肪合成
- カーボアップやチートデイ、夜間の炭水化物摂取への応用
- グリコーゲン量の目安と“脂肪化”のリスク
- 炭水化物を食べた翌日、体脂肪が増えたように感じる理由
- 体脂肪への変換を抑える可能性のある栄養素:L-カルニチン
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【結論】カギは「グリコーゲンの貯蔵量」

最初に結論を伝えると、「炭水化物がすぐに体脂肪に変わるかどうか」は、体内のグリコーゲン(糖の貯蔵庫)の空き状況によって大きく変わります。
ネットやSNSで意見が分かれるのは、この“仕組みの複雑さ”があるからです。
では、炭水化物を食べた後、私たちの体の中では何が起こっているのでしょうか?
炭水化物が体の中でたどる3つの道

私たちがご飯やパンなどを食べると、それらの炭水化物は消化され、最終的に「ブドウ糖」になって、小腸から吸収されて血液中に流れ込みます。
血糖値として測定されるのはこのブドウ糖です。
血液中のブドウ糖には、主に3つの使い道があります。
- エネルギーとして使われる
体を動かすため、脳や筋肉などでどんどん消費されます。 - グリコーゲンとして貯蔵される
使いきれなかったブドウ糖は「グリコーゲン」として筋肉や肝臓に貯蔵。これは“将来使うエネルギー”をストックするイメージです。 - 体脂肪として蓄えられる
エネルギーとしても使われず、グリコーゲンの貯蔵庫も満タンだった場合のみ、余ったブドウ糖が「体脂肪」へと回されます。
この3番目のプロセスで「炭水化物=体脂肪」というイメージが生まれています。
インスリンと“優先順位”の仕組み

ここで大事なのが「インスリン」というホルモンの働きです。
インスリンは、血液中のブドウ糖を“どこに送り込むか”をコントロールしています。
インスリンの指示でまず最初にブドウ糖が運ばれるのは筋肉。筋肉のグリコーゲンが満タンになったら、次は肝臓へ。
この“優先順位”を「インスリンヒエラルキー(またはインスリンプライオリティ)」と呼びます。
そして筋肉も肝臓もグリコーゲンでいっぱいになった「その後に」初めて、中性脂肪に変換され、体脂肪として蓄えられる仕組みです。
体脂肪化が起こるタイミング
つまり、炭水化物を食べてすぐに体脂肪になるわけではなく、
「グリコーゲンの貯蔵量に余裕があるうちは、まずそちらに優先的に回される」
これが大原則。
逆に、グリコーゲンが満タンの場合は、余剰分が脂肪細胞に運ばれ、体脂肪となります。
糖が脂肪に変わる代謝経路
ブドウ糖が体脂肪になるまでの流れは以下の通りです。
- グルコース
- グルコース-6-リン酸
- ピルビン酸
- アセチルCoA
- マロニルCoA
- 脂肪酸
- 中性脂肪
科学的にも、この経路が存在することは証明されていますが、グリコーゲンの貯蔵に使いきれなかった分だけが脂肪化するというのがポイントです。
興味深い実験:グリコーゲン枯渇と体脂肪合成
1988年に発表された研究では、被験者の体のグリコーゲン量を極限まで枯渇させた後、
大量の炭水化物を摂取させて、どこに行くかを観察しました。
- 最初の1~2日:大量の炭水化物(初日は3600kcal分)を摂取しても、中性脂肪はほとんど増加せず
- 3日目以降:グリコーゲンが回復してくると、中性脂肪への変換が進み始める
つまり「グリコーゲンが枯渇している間は、炭水化物を大量摂取しても主にグリコーゲンやエネルギー消費に回される」という仕組みです。
カーボアップやチートデイ、夜間の炭水化物摂取への応用

この研究結果は、ボディビルダーの「カーボアップ」や、減量中の「チートデイ」の仕組みにも応用できます。
例えば、
- カーボアップ:大会前にグリコーゲンを枯渇させた後、炭水化物を一気に摂取。糖質がまず筋肉グリコーゲン回復に回り、体脂肪にはなりにくい。
- チートデイ:減量中にグリコーゲンが減っているなら、たくさん炭水化物を食べても多くはグリコーゲンの貯蔵に使われるので、1~2日程度なら急激に脂肪は増えにくい。
「夜の炭水化物は太る」と言われがちですが、
運動後や活動量の多い日でグリコーゲンが減っていれば、夜でも体脂肪化をそこまで心配しなくてOKです。
グリコーゲン量の目安と“脂肪化”のリスク

ただし、グリコーゲンの貯蔵には限界があります。
- 筋グリコーゲン:約300~400g
- 肝グリコーゲン:約100g
合計でおよそ400~500g程度と言われています。
これを大きく上回る炭水化物を一度に摂取した場合、余剰分はやはり体脂肪化しやすくなります。
ですが、先ほどの研究のように1日3600kcal分の炭水化物でも、グリコーゲンが枯渇していれば初日はほとんど脂肪にならなかったことを考えると、通常の生活ではそこまで過剰摂取になることは少ないかもしれません。
炭水化物を食べた翌日、体脂肪が増えたように感じる理由

「ご飯をたくさん食べた翌日、体脂肪が増えた気がする!」
そんな体感がある方もいると思います。
しかし、これは体脂肪の節約によるものが多いと考えられます。
通常は体脂肪もエネルギーとして使われていますが、炭水化物をたくさん摂ったときは体は糖を優先して使います。
その分、体脂肪の“消費”が一時的に減り、体内に残りやすくなる。
これが「食べた翌日に体脂肪が増えたように感じる」理由のひとつです。
また、グリコーゲン1gにつき約3gの水分を保持するため、
体重が増えたり、むくみを感じたりするのも普通の現象です。
逆に、糖質制限ダイエットを行うと最初一気に体重が減るのも、糖質を減らすことで水分がその3倍排出されることが理由です(※つまり、脂肪が減っているわけではありません)
体脂肪への変換を抑える可能性のある栄養素:L-カルニチン

もし「摂取した糖質が体脂肪へ変わるのをなるべく抑えたい」と考えている方におすすめなのが、「L-カルニチン」という栄養素です。
L-カルニチンは、体内で脂肪酸をエネルギーに変える「ミトコンドリア」へ運ぶ役割を担っており、脂肪の燃焼を助けてくれます。
とくに、糖質を多く摂ったときでも、L-カルニチンが十分にあると、脂肪酸が効率よくエネルギーに変換されやすくなると言われています。
L-カルニチンは体内でも合成されますが、年齢とともにその合成力は低下しやすく、特に30代後半以降は不足しやすい傾向があります。
そのため、食事やサプリメントで補うことも有効です。
摂りすぎは不要ですが、「炭水化物を摂った翌日に体脂肪の増加が気になる」「脂肪燃焼を効率よくしたい」と感じている方は、L-カルニチンの活用も一つの選択肢として考えてみてください。
まとめ
今回ご紹介したように、炭水化物が体脂肪になるかどうかは「グリコーゲンの空き状況」が大きなカギ。
- グリコーゲンが枯渇していれば、炭水化物は主にグリコーゲン回復やエネルギー消費に使われる
- グリコーゲンが満タンで余剰が出た場合のみ、体脂肪に変わりやすい
- 通常の食事や運動習慣を守っていれば、炭水化物=即脂肪という極端な恐れ方は不要
- 体重増加や体脂肪率の一時的な上昇は、水分や「脂肪の節約」が原因のことも多い
知識を身につけ、炭水化物を必要以上に怖がらず、自分のライフスタイルに合わせて上手にコントロールしていきましょう!
筋肉は裏切らない。あなたの努力も裏切らない!読んでいただきありがとうございました!また読みに来てください!

